結論
ダイバーズウォッチの回転ベゼルが時計回りにだけ回らないなら、逆回転防止(片方向回転)の仕組みによるもので、故障ではないことがあります。例えばセイコーのダイバーズウオッチは、反時計方向にしか回らない構造です。
反時計回りに回しても固い・回らない場合は、汚れや塩分の付着、部品の不具合などが考えられます。工具でこじったり、力ずくで回したりはしないでください。真水でのお手入れをしても改善しないときは、修理店に相談しましょう。
1. 症状:どんな「回らない」か
まずは、どの状態に当てはまるかを確かめます。
| 状態 | 考えられること |
|---|---|
| 時計回りには回らないが、反時計回りには回る | 逆回転防止(片方向回転)の仕組みなら正常 |
| 反時計回りに回しても、固い・引っかかる | 汚れ・塩分・砂の付着、部品の不具合など |
| まったく動かない | 汚れの固着や部品の破損など。無理に回さない |
| 水中で少し回りにくい | セイコーは「異常ではない」と説明 |
| 逆に、ゆるすぎてカタカタ動く | 部品の不具合の可能性。潜水前ならメーカーは使用前の確認を求めている |
2. 考えられる原因
原因1:片方向にしか回らない仕組み(正常)
セイコーの取扱説明書では、ダイバーズウオッチの回転ベゼルは反時計方向にしか回転しないとされ、「無理に時計方向へ回さないでください」と注意しています。
理由は安全のためです。ダイバーズウオッチのベゼルは、潜水を始めたときにベゼルの「▼」などのマークを分針に合わせ、分針が指す目盛りで経過時間を読みます。潜水時間は空気の残り量にかかわるため、ベゼルがうっかり動いても、表示される経過時間が実際より短くならないように、反時計方向にしか回らない作りになっています。
なお、両方向に回るベゼルや、りゅうずで回す内側のベゼルなど、モデルによって仕組みは違います。お手持ちの時計がどのタイプかは、取扱説明書で確認してください。
原因2:海水・汗・砂などの付着(推測を含む)
セイコーの取扱説明書は、海水につけた後は必ず真水でよく洗ってからふき取るよう案内しています。
ベゼルとケースのすき間に、塩分や砂、汚れがたまると回りにくくなることがある、という説明は一般的によく見られます。ただし、どのくらいの汚れで回らなくなるかについて、メーカーの公式な記載は確認できませんでした。原因の一つとして考えておく程度にしてください。
原因3:ベゼルを支える部品の摩耗・破損
ベゼルのクリック感や片方向の動きは、ケースとベゼルのあいだにある部品で作られています。部品の構造はメーカーやモデルによって違うため、どの部品が原因かは、分解して点検しないとわかりません。
落としたりぶつけたりした後から回らなくなった場合は、部品の変形や破損も考えられます(推測)。
原因4:長いあいだ点検していない
セイコーのダイバーズの取扱説明書では、使用環境はケースやバンドだけでなく内部の機械にも影響するため、2〜3年に一度を目安に分解掃除(オーバーホール)を受けるよう案内しています(キャリバー6R35のダイバーズモデルの例)。
3. 自分でできる確認
- 回す方向を確かめる
反時計回りに、ゆっくり回してみます。片方向回転のベゼルで、時計回りに回らないだけなら正常です。 - 取扱説明書でベゼルの種類を確認する
片方向か両方向か、外側か内側か、りゅうずで操作するタイプかを確かめます。 - 防水性能を確かめてから、真水で洗う
洗う前に、ねじ込み式のりゅうずがしっかり締まっているか確かめます(セイコーは潜水前の点検項目に挙げています)。そのうえで、セイコーの取扱説明書が案内しているお手入れ方法は、次のとおりです。- 海水につけた後は、真水でよく洗ってからふき取る
- 蛇口から直接水をかけず、容器に水をためて洗う
- りゅうずを引き出したまま洗わない
- 「非防水」「日常生活用防水」の時計では、水洗いはしない
- 洗ったあと、やわらかい布で水分をふき取る
その後、もう一度ゆっくり回してみます。
4. やってはいけないこと
- 時計回りに無理に回す:セイコーは「無理に時計方向へ回さないでください」と注意しています
- 工具やマイナスドライバーでこじる、ベゼルを外そうとする:ケースやベゼルに傷がつく、部品が壊れる、防水性が損なわれるおそれがあります(編集部の注意)。なお、セイコーのダイバーズの取扱説明書でも、ベゼルを固定している留めねじがあるモデルについて「留めねじは絶対にゆるめないでください。故障や紛失の原因になります」と注意しています。
- 潤滑スプレーなどを自分で吹きかける:中に何が入るかわからず、パッキンなどへの影響も不明なため、おすすめしません(編集部の注意)
- 防水性能が足りない時計を水で洗う:セイコーは「非防水」「日常生活用防水」の時計での水洗いはやめるよう案内しています
- 回りが固いまま潜水に使う:セイコーは潜水前の確認として「回転ベゼルの回り具合は良好か(ゆるすぎたり、きつすぎたりしないか)」を挙げています。異常がある場合はお買い上げ店やお客様相談室へ相談するよう案内しています
5. 専門店に相談する目安
次のどれかに当てはまったら、修理店やメーカーのサービス窓口に相談しましょう。
- 正しい方向に回しても、固い・引っかかる・まったく動かない
- 真水で洗っても改善しない
- ゆるすぎて、手を離してもベゼルが動いてしまう
- 落とした・ぶつけた後から回らない、ベゼルが浮いている、すき間が広がって見える
- ダイビングで使う予定がある(潜水前の点検でベゼルの回り具合の確認が求められているため)
- しばらくオーバーホールをしていない(セイコーのダイバーズの例では2〜3年に一度が目安)
ベゼルを外す修理になる場合は、防水の点検も一緒に頼めるか、修理店に相談するとよいでしょう(編集部の考え)。依頼するときは、ベゼルの症状と、最後に点検した時期を伝えるとスムーズです。
サブマリーナーをお持ちの方は → ロレックス サブマリーナーのオーバーホール(料金と依頼先)
まとめ
- ダイバーズのベゼルが時計回りに回らないのは、片方向回転の仕組みなら正常
- 反時計回りでも固いときは、汚れ・塩分の付着や部品の不具合を考える
- 海水の後は真水で洗う。ただし防水性能を確認してから
- 工具でこじらない、無理に回さない。改善しなければ専門店に相談する
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確認日:2026年11月3日。各メーカーの取扱説明書・公式サイトで確認しました。
